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 人は、生まれ、たくさんの人たちと関わってこそ「人間」としての成長が保障されます。わずらわしいことではありますが、時には友達とけんかしたり、おとなから叱られたり、または仲間たちとちょっぴり「悪いこと」もしながら。そうやって、自分自身を出したり抑えたり、人を受け入れたり離れたりしながら、豊かな人間関係を築く力を養うのが「子ども時代」なのでしょう。

 『なるほ堂ものがたり』に登場するふたりの少年は、いつも一緒にいるあいまいな親友同士。ひとりは怖いし、傷つくのはもっと怖い。だから本当の気持ちは言わないままです。そんなふたりが足を踏み入れた『なるほ堂』。はてさて、なにが起こるのやら。子どもたちは「未来」です。未来は彼らの手の中にあります。だからこそ、一度しかない子ども時代を子どもとして、一度しかない人生を人間として生きる。わたしたちおとなは、そのための環境を整える視点を持って生きていく必要を感じています。

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